初めて電動アシスト自転車に乗る人のため、注意点を解説します。
今年度から保育園に通う3才の娘の送迎のため、電動アシスト自転車ヤマハPAS babby un sp (ヤマハ パス バビー アン エスピー) 以下babby unと表記します。
を、購入しました。
私自身、初めて電動アシスト自転車に触れるということと、自転車に乗ることじたい、実に10年ぶりという私の妻のため、初めて電動アシスト自転車に乗る際の注意点をまとめてみました。
購入した際、自転車屋さんから受けた説明、取り扱い説明書、私自身の自転車通勤の経験等、を元にしておりますので、少しでも参考になる部分があれば幸いです。
※私が購入した、子供乗せモデル、ヤマハ PAS babby un spを前提にしております。他のメーカー、モデルをお使いの場合、操作方法等が異なる場合がございます。ご自身の所有する自転車の取り扱い説明書を、よくご確認ください。
これだけは必ず気を付けること
・子供にヘルメットを被らせる、一人で乗せない。
・鍵の解錠を忘れない。
・走行中にスイッチをオンにしない。
・ペダルを回しながら変速しない。
・交通ルールを確認して遵守。
・点検・整備をおこたらない。
無用なトラブルを避けるため、最低限これだけは注意してください。
以下、4つのポイントに分けて詳しく解説します。
1 自転車に乗る前の注意ポイント
駐輪場所の確認
購入前に必ず駐輪場所について確認しましょう。
具体的には、自宅、保育園、幼稚園、職場、駅、よく買い物に行く場所等、自分の行動範囲の駐輪場所です。
なぜなら、子供乗せ電動アシスト自転車は、通常の自転車とはタイヤの幅や車体の高さが異なるため、その場所に行ってみたら駐輪できなかった、という事が起こり得るからです。
広い駐輪場の場合は問題ない場合が多いですが、特に2段式駐輪ラックに駐輪する場所は要注意です。駐輪ラックは、子供乗せ電動アシスト自転車を駐輪することを前提として作られていない場合が多いためです。
確認ポイントは、駐輪ラックのレール幅、タイヤ支えの高さ、上段レールまでの高さです。
私が購入したヤマハbabby unのタイヤは20インチサイズで、タイヤ幅は約5.3cmです。
そして、一番高さの高いチャイルドシートのヘッドレスト上までで、全高約120cmです。
(全長は約1765mm、重量約32.9kgです。)
※ 仕様書より確認
仕様:PAS Babby un SPリヤチャイルドシート標準装備モデル – 電動自転車 | ヤマハ発動機
タイヤ幅が通常自転車より太いため、ラックレールに入らない可能性があります。
またタイヤが20インチと小さいため、レールの横に付いているタイヤ支えにスピードセンサーがぶつかり故障する可能性があります。

丸で囲んである部分がスピードセンサーです。
いつも停めている駐輪場はもちろんの事、初めて停める駐輪ラックにはゆっくりと慎重にレールにタイヤを入れるようにしましょう。
そしてチャイルドシートが上段ラックにぶつかり駐輪できない、またはチャイルドシートが邪魔になり上段レールが使用できなくなる場合があります。
私はマンションに住んでいるのですが、自宅の駐輪場がまさに2段式駐輪ラックで、普通の子供乗せの自転車は、高さの問題で駐輪できません。
そのため後ろのチャイルドシートを折り畳めるこのモデルを購入しました。

乗車ポジションの調整
サドル、ハンドルの調整をしましょう。
サドルは両足のかかとが付く高さに調整します。
サドルはサドル下のレバーで簡単に調整できます。レバーをくるくる回して、緩めたり、締めたりしてサドルの高さを調整します。
サドルがこの高さでは、若干こぎにくいのですが、自転車を停車時の安定性を優先させます。
自転車そのものが通常自転車より重いうえ、さらにそこに子供を乗せ、荷物まであるとなると、足だけで支えるのは大変です。
転倒(いわゆる立ちごけ)を防止するため、しっかりと踏ん張りがきくようにします。
同じ理由で、かかとの高いヒール等の履物は踏ん張りがきかないので、自転車に乗るときは控えましょう。
ハンドルは自分での調整はちょっと難しいので購入時、自転車屋さんでちょうどよい高さに調整してもらってください。
電動アシストの操作方法の確認
電動アシストのスイッチの操作方法を確認しておきましょう。
そして
電動アシストのスイッチは走行中に操作しない。
特に
走行中にスイッチをオンにするのは厳禁!!
モーター、駆動部に負担をかけることになり故障の原因になります。
電動アシスト自転車の心臓部にあたる部分の故障は致命的です。修理も容易ではありません。
時にはスイッチを入れ忘れることもあるでしょう。
走行してから、「あ、スイッチ入れ忘れた」と気づいたら、落ち着いて、一度停車して、両足をしっかりと地面につけてからスイッチを入れましょう。
基本的にスイッチは普段、電源ボタンのオン・オフぐらいしか操作しません。
走行モードは通常モードで十分ですし、ライトも暗くなると自動で点灯します。
自転車を停車して、その場から離れるとき、もしスイッチを切り忘れても一定時間操作がなければ、自動でオフになるので安心です。
走行中のスイッチの操作はよそ見運転にもなるので、しないと決める事が大事です。

自転車のライトは暗くなると自動で点灯しますが、バッテリーを消費して点灯させているため、バッテリー残量が残りわずかになると、ペダルアシストを優先させるため、ライトが点灯しなくなります。
暗くなってから自転車を使用する方は、バッテリー残量に気を配るようにしましょう。
鍵の解錠
走行する前に必ず鍵の解錠を確認する。
時には鍵をかけたまま発進しようとしてしまう事もあるかもしれません。
通常の自転車だったら「あれ?動かない・・」で済むかもしれません。
しかし、電動アシスト自転車は、最大で漕ぐ力の2倍のアシスト力が加わります。
するとどうなるか・・
最悪スポークが折れます。
スポークとは、車輪を支えているたくさんの細い金属の棒のことですが、2,3本おれてしまうと車輪そのものを交換、という事になりかねません。
電動アシスト自転車は特殊な車輪のため、交換費用もバカになりませんので、かならず走行前に解錠の確認を怠らないでください。
子供を乗せる前にしっかりと練習
普通の自転車との違いを理解し、子供を乗せる前にまず、広い場所で練習しましょう。
また、押して歩く(取り回し)の練習もしましょう。
自転車の重量が重いため、これが結構大変です。
特にUターンするときや駐輪ラックに自転車を停めたい時が大変でした。
普通の自転車なら後輪を持ち上げて、方向転換も楽に行なえますが、電動アシスト自転車は後方が特に重いので、後輪を持ち上げるのは男性でも容易ではありません。
子供を乗せたままで、後輪を持ち上げるのはほぼ無理です。
自転車に乗っている時は非常に楽な電動アシスト自転車ですが、押して歩く時はアシストしてくれないので、重くて大変です。
電動アシスト自転車最大のデメリットともいえますね。
妻も苦労しています。
もし、駅の駐輪場などで、長い登りのスロープを押して登らなくてはならない事情等がある場合は、私ならちょっと購入を躊躇してしまいます。

リアチャイルドシートの、子供が握るハンドルをつい握って自転車を動かしたくなりますが、ここは強度が弱いので、持たないようにしましょう。
自転車を動かしたい時は、サドルの後方を持つと安心です。
強化されているので、強度はばっちりです。
子供のチャイルドシートへの乗せ方
必ずヘルメットをかぶらせます。
また、子供もなれてくると、チャイルドシートへ自分でよじ登ろうとします。
子供をひとりで乗せないようにしましょう。
力を入れて引っ張った時、自転車が転倒する可能性があり、危ないです。
また、足を乗せるステップは片方だけで子供の全体重を支えるようにはできていません。
必ず大人が抱えてのせてあげましょう。
シートベルトをあらかじめ引き出しておくと、ベルトの上に座ることがないので、のせやすいです。
ヘッドレストの後ろのレバーを引くと、シートベルトをゆるめたり、巻き取ったりできます。しっかりと子供を支えられる長さに調節しましょう。

2 走行中のポイント
急発進に注意する
初めて電動アシスト自転車に乗ったとき、グンっと急発進するので、ちょっと驚きました。また、やけにハンドルがふらふらするなと感じました。
ハンドルがふらついて怖いのは急発進が原因だと思います。
普通の自転車で発進する時の、ペダルを踏む力では強すぎます。
ゆっくり、優しくペダルを踏む事を心がけ、アシストのかかりかたを確認しましょう。
十分発進できます。
自転車の乗り方は体に染み付いているので、どうしても発進は力強くなってしまいます。
慣れるまで、意識して弱くペダルを踏むくらいで良いと思います。
慣れるまでは、アシスト弱めのエコモードにするのも良いかもしれません。
内装変速機の特徴を理解する
電動アシスト自転車には内装変速機(変速ギア)がついています。
変速することをギアを変えると言ったりしますね。
シフトノブ(グリップのポツポツした握りがある部分)を回すことで操作します。

操作することで、ペダルが重くなったり、軽くなったりします。
つまり、上り坂を軽い力で登ったり、平坦な道で速度を出したりするのに有効です。
妻に「これが変速ギアで・・・」と説明していると、
ギアって何???
という感じでした。
確かに初めて見る人はわかりませんよね。
でも改めて問われると解りやすく説明するのが難しい!
私も内装変速機がなぜ変速できるのか不思議に思います。スポーツ自転車のように歯車が見えれば、わかりやすいんですが・・・
とにかくシフトノブを回すと操作できること。
1にするとペダルが軽くなる、2で普通、3が一番重い。とういうことが理解していただければ十分だと思います。
私も詳しい仕組みはわかりません!誰か解りやすく説明できる人はいませんか・・・
つまり、発進や坂道は1、速度に乗って安定したら2、スピードを出したい時は3といった具合に操作します。
慣れれば自然と操作できると思います。
重要なのはペダルを回しながら変速しないということです。
スポーツ自転車のような外装変速機(歯車がむき出しのタイプ)はペダルを回す力を利用して変速するので、ペダルを回しながら変速しなければなりません。
内装変速機は逆で、ペダルを回しながら変速できません。
もしペダルを回しながら変速しようとする(シフトノブを回す)ときちんと変速できないばかりか、最悪故障します。
やってみるとわかりますが、ガチャガチャと明らかに正常ではない音がするので、絶対にやめましょう。
停車した時に変速するか、走行中に変速する場合は一旦ペダルをこぐのをやめてからシフトノブを操作します。
流れとしては1で発進→速度が安定したらペダル停止→2に変速→ペダルを漕ぎ始める→速度が安定したらペダル停止→3に変速→ペダルを漕ぎ始める。
信号などで停車したら1に戻して、と繰り返します。
坂道などは手前であらかじめ変速しておきます。
慣れるまでは練習あるのみ!
スムーズな変速は効率的にペダルを漕ぐことができるので、楽ですし、バッテリーの節約にもなります。
また自転車の駆動部分への負担も軽減できるので、無用なトラブルを避けるためにも変速機を上手に使いましょうね。
スピードが出るからといってパワーアシストモードにして、ギアを3で発進、といったことを繰り返していると、自転車への負担が大きいので、長く自転車を使うためにも変速機を使いこなしましょう。
自転車を停車する時、気をつけること
自転車に乗っていて、停止するときは場所に気をつけましょう。
具体的に坂道で停止する時は要注意です。
坂道に対して自転車が直角になるように停止しないようにしましょう。
つまり坂道に対して横向きになるということ。
なかなか文章では伝えにくいのですが、坂道に対して横向きに停止すると、片方の足が地面につきません。大変こわいです。
私はバイクに乗っているときにこれをやって、立ちごけを経験しました。
電動アシスト自転車は重いです。子供を乗せている時はなおさらです。重心が左右に振れると足の力で支えられなくなる可能性があります。
坂道に対して自転車をまっすぐ、垂直にして停止するようにしましょう。
止まる時はペダルから足を離す
意図しない発進を防ぐため、信号などで止まる時はブレーキをしっかりと握り、ペダルから足を離し、両足をしっかり地面につけましょう。
私は普通の自転車に乗る時、信号で止まった時は、次の発進に備えて右足をペダルに置いたまま停止しています。クセになっているので無意識でやってしまいます。
普通の自転車では何も問題ありません。
しかし、電動アシスト自転車はペダルへの負荷を感知して発進しようとしてしまうため、誤発進の危険があります。
子供を後ろに乗せていると、「大丈夫かな?」と気になって、振り返ることも多いです。
その時、不用意にペダルを踏み込んでしまう、ブレーキを離してしまう、という事も考えられます。
そのような危険を避けるため、止まる時はしっかりとブレーキを握り、ペダルから足を離しましょう。
3 交通ルールをしっかりと守る
自転車の基本的なルールを定めた自転車安全利用五則というものをご存知でしょうか。
確認してみましょう。
1.自転車は、車道が原則、歩道は例外
2・車道は左側を通行
3・歩道は歩行者優先で、車道寄りを徐行
4・安全ルールを守る
5・子供はヘルメットを着用
警視庁のホームページでイラスト付きで詳しく解説が載っています。
自転車のルールが曖昧なかたは、ぜひ一度ご確認ください。
自転車は車の仲間で、走行する場所は原則として車道の左側です。
歩道を走行するのはあくまで例外で、歩道は歩行者優先です。
信号、標識を守るのは当然で、夜間はライトを点灯させましょう。
夜間、無灯火で走行するのは大変危険です。自分が見えているから大丈夫と思うのは大間違いです。相手からは見えていません。
私も自転車通勤中、無灯火の自転車と接触しそうになり、ヒヤッとした経験があります。
また、雨が降っている時に自転車に乗る時は、レインコートを着用しましょう。
傘差し運転をしてはいけません。
また運転中のながらスマホはもちろん、イヤホンで耳を塞ぐ行為もやめましょう。
交通違反になる、ならないに関わらず、自分や他者が安全であるかどうかを考え、絶対に事故を起こさい、事故に遭わないという気持ちで自転車を利用しましょう。
また、もし事故の加害者になってしまった場合、高額な賠償金が発生する場合があります。
現在は自転車保険を義務化する自治体も多いので、必ず自転車保険に加入しましょう。
止まる勇気 降りる勇気
歩行者の多い歩道を、歩く速度でフラフラと走行する自転車を見かける事があります。
危ないので自転車を一度降りて押して歩きましょう。
少しばかりの距離を押して歩いたところで、目的地への到着時間は、さほど変わらないでしょう。
もし、歩行者と接触したら大変な事故になりかねません。
頭ではわかっていても、やってしまうのはなぜか。
せっかく乗った自転車を降りるという行為を、時間や手間に対して損だと思うことにあると思います。
誰しも損をするのは絶対に避けたいと思うもの。
しかし、わずかばかりの損を恐れたために、重大な事故を起こしてしまったら後悔をしてもしきれません。
止まるという行為も同じ。
狭い道で自動車とすれ違うときなど、怖いなと思いながらも、止まらず進んでしまいがちですが、一度止まって、安全な場所に避け、道を譲りましょう。
なかなか意識しないとできないことだと思います。はっきり決断するのには勇気がいります。
普通の人が怖がるような、ものすごいスピードを出したりすることを、私は勇気があるとは思いません。
わずかな損を恐れずルールを守り、「危ない」と思ったり、「大丈夫かな?」と少しでも感じたら、止まる、降りて押すという判断をできる人を勇気がある、と私は思います。
スピードの出しすぎに注意する
電動アシスト自転車は、時速24kmに達すると安全のためアシストがなくなります。
逆に考えると、時速24kmまでは、モーターのアシストを受け、楽に加速できるということ。
時速24kmを普通自転車で出そうとするとかなり大変です。
電動アシスト自転車は、軽い力でこげるので無意識のうちにスピードが出てしまいます。
電動アシスト自転車は重量も重いです。スピードが出た状態での転倒や、衝突などの事故は衝撃も大きくなります。
大切な子供を乗せる乗り物でもあるので、スピードの出しすぎに気をつけましょう。
4 点検と整備を忘れずに
点検の頻度
購入から2ヶ月目、半年、1年、以降1年に一回の点検を必ず受けるようにしましょう。
特に購入から2ヶ月目の点検は重要です。
ブレーキや変速ギアはワイヤーで操作しています。
このワイヤーは使っているうちに必ず伸びてきます。
特に使いはじめのワイヤーの伸びは「初期伸び」といって、どんな自転車でも必ず起きます。
そのまま使用していると、ブレーキが甘くなったり、変速がうまくできなくなったりします。
不具合が発生するのを防ぐため、必ず点検を受けましょう。
自転車は使用していると、ボルト類が緩んだり、ワイヤーやチェーンが伸びてきたりということが必ずおきます。
どんな自転車も例外ではありません。
そのため、簡単に調整できるように作られています。
簡単な調整で済むことが、異変を放置することで、深刻な故障につながる事もあります。
高価な電動アシスト自転車は、修理費も高額になるケースもあります。
故障する前に自転車屋さんで、点検、整備をしてもらいましょう。
空気の補充とチェーンへの注油
月に1・2回の頻度で空気圧の確認、補充、チェーンへの注油は自分で行わなければなりません。
空気圧の低下はパンクトラブルの1番の原因です。
タイヤの側面を強く押してすぐへこむようなら、空気の補充が必要です。
具体的にこのくらいというのは自転車屋さんで教えてもらい、必ず自分でも確認できるようにしておきましょう。
空気は普通の自転車の空気入れで大丈夫です。
高価なものでなくて構わないので、自宅に一つ用意しましょう。
自転車のチェーンは金属でできているため、使用していると必ず摩耗したり、サビてきます。
それを防ぐために、定期的にメンテナンスが必要です。
オイルは自転車チェーン専用のものがあるので、わからなければ自転車屋さんで選んでもらいましょう。
こちらも高いものでなくてかまいません。
自転車を購入する時に、一緒に購入すると良いと思います。
ここまで、長々とお読みいただきありがとうございました。
ぜひ安全で快適な電動アシスト自転車ライフをお楽しみください!